歯科NEWS

2011.06.15更新

気になる口臭や歯の汚れを防ぐ、歯のエチケットには欠かせない歯磨きの習慣が変わりつつある。電動歯ブラシやマウスウォッシュ、デンタルフロスなど、これまでの一般的な歯ブラシに代わる商品を駆使したトータルケアへの関心が高まってきているようだ。


ライフメディアが5月下旬に実施した、日本全国の10代から60代の男女1200名を対象とする調査結果によれば、「毎日必ず歯を磨いている」との回答者は98.9%に上った。「1日に2回以上は歯を磨くようにしている」との回答も73.7%に達している。「たとえ虫歯がなくても、お金を出して歯の定期健診を受けるようにしている」と答えた人が過半数を占めており、頻度の差こそあれ、有料歯科検診の利用にも積極的な男女が少なくないことが明らかになった。


ちなみに歯を美しく健康に保つために用いられているもののトップは「歯ブラシ」で、利用者は全体の9割を超えた。意外に利用度が低かったのは「歯磨き粉」で、半数近くの人が歯磨き粉を使わずに歯ブラシを用いている。一方、新たな傾向として判明したのは、歯ブラシと歯磨き粉という組み合わせではなく、「デンタルリンスやマウスウォッシュなどの洗口液」「歯間ブラシ」「デンタルフロスまたは糸ようじ」といった利用者が増加しており、いずれも「電動歯ブラシ」や「音波・超音波歯ブラシ」の利用者の割合を上回った。


やや電動歯ブラシ系の商品に伸び悩みが感じられるものの、マイボイスコムが1万2300人を超える男女を対象にインターネット上で4月上旬に実施したアンケート調査では、「歯磨きには電動歯ブラシを使いたいと考えている」との回答者が全体の39%に上り、高い関心を集めているのは事実のようだ。


しかし、電動歯ブラシの購入時に重視したい点のトップに挙がったのは「入手しやすい本体価格」で、「替ブラシの価格の手頃さ」も上位を占めている。「歯垢の落ちやすさ」など、電動歯ブラシならではの性能面よりも、販売価格のほうにウェイトを置く人が少なくないことも明らかとなっている。


口臭や虫歯予防に歯のトータルケアは重要な位置を占めており、歯磨きのスタイルにも変化が見られ始めているが、毎日使用するものであるだけに、新製品の導入は購入のしやすさというポイントが大きく関係してくるのかもしれない。

(加藤 秀行 、 湯木 進悟)


投稿者: 藤村医院

2011.06.03更新

日本人の成人の約8割が歯周病にかかっている中、約7割が「自分は歯周病ではない」と思っていることが、サンスターの「歯周病およびオーラルケアに関するアンケート」で分かった。

調査は、10~60 代の男女1000人を対象に、インターネットで実施。「自分は歯周病だと思うか」という質問に、20.5%が「歯周病ではない」、48.7%が「おそらく歯周病ではない」と回答し、69.2%が「自分が歯周病ではない」と思っているという結果になった。また、歯周病という病気の認知率は、98.5%と高いが、「歯周病と虫歯の関係性」に関する質問では、虫歯と混同している人が28.6%、他の病気への影響はないと考えている人が35.7%おり、多くの“油断”している姿が浮き彫りになった。

「歯間清掃具やデンタルリンスの使用状況」では、37.1%が歯間ブラシやデンタルフロスなどを使っており、27.1%がデンタルリンスを使用していると答えた。「歯科に行くきっかけ」を聞いたところ、51.7%が「歯や歯茎のトラブルのため」、27.6%が「予防のため、定期的に通っている」と答え、歯周病を含む口の中のトラブルを予防する意識が浸透していないことが分かった。

歯周病は、歯の周りの組織(歯茎や歯を支える骨)に起こる病気。細菌の固まりである歯垢(しこう)によって細菌感染症が発症し、進行すると、歯を支える骨が溶けてしまい、歯を失うだけでなく、最近では、糖尿病や動脈硬化などに悪影響を及ぼすことも報告されている。(毎日新聞デジタル)


投稿者: 藤村医院

2011.06.01更新

2011年6月1日   提供:毎日新聞社

 

歯:若い女性の歯退化 鶴見大教授ら学生調査、7~8割が親知らず欠如 /神奈川

 ◇あなたは大丈夫?「乳児期に固い食べ物を」 鶴見大教授ら学生124人調査

 鶴見大短期大学部(横浜市鶴見区)の後藤仁敏教授と田中宣子講師が、女子学生124人の歯型を調べた結果、若い女性のかむ力が弱くなり、親知らず(第3大臼歯)の退化が進んでいることが分かった。後藤教授は「乳児期にもっと固い食べ物をかむ習慣が必要」と指摘する。【網谷利一郎】

 対象は歯科衛生科で学ぶ学生で、18~20歳。咋春、上下のあごの石こう模型を採取し、歯の特徴を調べた。

 歯数は24~32本で平均28・2本。基本の32本は6人だった。上あごの親知らずの欠如が82・2%。その前の第2大臼歯も退化が進み、三角形に変形傾向が見られる。第1大臼歯への影響も出ている。下あごの親知らずの欠如は71・8%だった。

 後藤教授は「人類の歯の退化予測」を新人・現代人段階(抜歯も含め32本)と未来型現代人段階(28本)に分類。調査では未来型が57・3%で、新人・現代人は12・1%、中間(29~31本)が24・2%だった。

 05年から女子学生の歯の調査を続ける後藤教授は「若い女性は、かむ力が年々弱くなっている。歯の退化を防ぐのは、人類史的な重要課題」。田中講師も「ソフトな食品が人気だが、乳児期にしっかりかむ習慣が大切。今年も歯型を調べ、データを積み上げたい」と意欲を示した。

投稿者: 藤村医院

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